志保山の風穴

真夏の森に眠る、十五度の静寂

香川県三豊市仁尾町、志保山の山麓に残る「志保山の風穴」。県道沿いの駐車場から登山道を歩いた先に、苔に覆われた石積みの空間が静かに姿を現します。

真夏の強い日差しと蝉の声の中を進んでいくと、風穴の周囲だけ、空気がふっと変わります。石の隙間から流れ出す風は、炎天下でもおよそ15℃。汗ばんだ肌を冷たい空気がなで、にぎやかだった夏の音まで遠ざかっていくように感じられます。

この風穴が発見されたのは明治40年代。かつては自然の冷気を利用し、蚕の卵を保管する場所として養蚕業を支えていました。自然が生み出す不思議な空気の流れと、それを暮らしに生かした先人の知恵に触れられる、地質学的にも農業遺産としても貴重な場所です。

派手な景観や大きな観光施設があるわけではありません。苔むした石、深い緑、肌に触れる冷気、そして静寂。地元でも知る人の少ないこの小さな風穴には、瀬戸内の夏とは思えない、もう一つの季節が隠れています。

見学される方へ

駐車場から登山口までは約200メートル、登山口から風穴までは約400メートルです。徒歩で合計15~20分ほどが目安ですが、山道のため、歩きやすい靴と登山に適した服装で訪れてください。

夏は蚊などの虫が多いため、長袖・長ズボンと虫除けスプレーの用意を強くおすすめします。周辺は所有者のご厚意で開放されている私有林です。火気や喫煙を避け、ゴミは必ず持ち帰り、植物や石積みを傷つけないよう静かに見学してください。

アクセス

風穴には一般的な観光施設のような番地付きの入口がないため、地図アプリでは**「志保山の風穴」**と検索してください。ナビの目的地は山中を示す場合がありますが、車で風穴の近くまで入ることはできません。県道沿いの駐車場に車を止め、そこから徒歩で向かいます。

合計で15~20分程度ですが、後半は登山道です。歩きやすく滑りにくい靴を履き、雨の後や足元が湿っている日は特に注意してください。

所在地

香川県三豊市仁尾町仁尾乙・志保山山麓

交通の目安

車でお越しの場合
県道220号沿い、吉津峠から仁尾町側へ約200メートル下った場所に、風穴登山口へ向かうための駐車場があります。道路脇の案内板が目印です。公共交通機関だけでは訪れにくいため、自家用車やレンタカーの利用がおすすめです。

駐車場から風穴まで

風穴登山口から風穴まで:約400メートル、徒歩約10~15分

駐車場から風穴登山口まで:約200メートル、徒歩約5分

駐車場

あり