Setouchi Whisper
第4話 ひやあつ、十五度。
東京から香川へ戻った翌日。澄香は航平に誘われ、地元でも知る人の少ない「志保山の風穴」へ向かいます。 真夏の登山道を抜けた先に待っていたのは、苔むした石垣と、十五度の冷たい風。見えない風を確かめるために持ってきた風鈴が、静 … 続きを読む
第3話 手のひらのカメラ
七月下旬の東京。お台場の展示場で賃貸管理の広さに圧倒された航平は、仕事帰りの澄香と自由が丘で待ち合わせる。 まだ覚え始めたばかりの実務。目の前に並ぶ管理システム、家賃保証、見守り、修繕、入居者対応。「自分はまだ何も分かっ … 続きを読む
第2話 やさしいホームページ
紫陽花の通知でつながり直した澄香と航平。今度は、ホームページの相談をきっかけに、ふたりの夜がまた少し近づいていきます。仕事のふりをした会話の向こうに、まだ名前のない気持ちが静かに灯り始めます。
第5話 見せなかった一枚
イタリアから帰ってきた香澄のスマホには、たくさんの写真が残っていた。ローマの空、グラッシナの庭、浴衣姿の交流会――そして、湊斗には送らなかった一枚。見せなかった理由も、説明したくなる気持ちも、まだうまく言葉にできない。帰 … 続きを読む