第4話 ひやあつ、十五度。

東京から香川へ戻った翌日。澄香は航平に誘われ、地元でも知る人の少ない「志保山の風穴」へ向かいます。 真夏の登山道を抜けた先に待っていたのは、苔むした石垣と、十五度の冷たい風。見えない風を確かめるために持ってきた風鈴が、静 … 続きを読む

第3話 手のひらのカメラ

七月下旬の東京。お台場の展示場で賃貸管理の広さに圧倒された航平は、仕事帰りの澄香と自由が丘で待ち合わせる。 まだ覚え始めたばかりの実務。目の前に並ぶ管理システム、家賃保証、見守り、修繕、入居者対応。「自分はまだ何も分かっ … 続きを読む

第2話 翻訳アプリが間に合わない

銭形まつりの余韻がまだ胸に残る香澄は、湊斗や陽葵とともに、アメリカから来た交換学生を案内することに。プリクラ、うどん作り、ひまわり畑、そして夕暮れの父母ヶ浜。言葉が追いつかない一日の中で、香澄の心にも少しずつ新しい風が吹 … 続きを読む

紫陽花と神様

紫陽花と神様 SingleRelease: 2026.5.4 予定のない休日の午後、東京のアパート。雨音を聞いていた澄香は、ふと高校生の頃を思い出します。 幼なじみと訪れた、地元のあじさい祭り。雨を含んだ境内、遠くに響く … 続きを読む

第0話 紫陽花と神様

梅雨の東京。何もしない休日の午後に、汐見澄香はふと、地元のあじさい祭りの記憶へ手を伸ばす。濡れた石段、青むらさきの花、そして隣にいた幼なじみの横顔。あの日、神様の前で言えなかった願いが、雨音の向こうから届く――。瀬戸内の … 続きを読む